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さやまちさやさや笹祭り
2025年6月26日
毎年恒例、『さやまちさやさや笹祭り』を今年も実施いたします。
ちらしは水明書道会館のある学区の町内会の皆さんへ短冊をそえて回覧、ポスターも掲示してしていただいております。
短冊やうちわに文字を書くことで書道を身近に感じ楽しんでいただき、地域交流の一助になりたい、そして水明書道会が地域に溶け込み親しまれる存在でありたいと願っています。
短冊は今月末から水明書道会館に置いております。
ぜひ水明書道会館にお立ち寄りいただき、諸芸上達の願いをこめて短冊を書いていただけたらと思います。
また、当日は来れないけれどという方は、ご自宅やお教室で書かれたものや、七夕かざりを水明書道会館にお持ちいただいたら飾り付けいたします。
昨年の様子
たくさんの短冊や七夕かざりが「さやさやと」風に揺れます。
わいわいとにぎやかに短冊にお願いごとを書く皆さん
7月6日は水明会館に集まれー!!
広報担当:山根青坡
うたごよみによせて その6「夕」
2025年6月19日
雨の季節に入りました。紫陽花やくちなしの花が瑞々しく美しく咲き競っています。
梅雨は、陰暦では五月に降る長雨のことで、五月雨(さみだれ)と言います。
和歌や俳句では、下記のものが有名です。
うちしめり 菖蒲ぞかをる ほととぎす 鳴くや五月(さつき)の 雨の夕暮れ (藤原良経)
五月雨を 集めて早し 最上川(松尾芭蕉)
五月雨を 降り残してや 光堂(松尾芭蕉)
冷泉貴実子氏の「うたごよみ⑥」のお題は「夕」でしたが、和歌のやりとりでの恋のはじまり方や、結びの「逢ふ瀬(おうせ)の時」への進展の様子から、「恋」かな?と思うほど艶やかな内容でしたね。
今回のキーワードは「誰そ彼(たれそかれ)「黄昏時(たそがれどき)。
この語源は、万葉集10巻 秋相聞(恋の歌)の柿本朝臣人麻呂の歌(2240)
「誰(た)そかれと 我れをな問ひそ 九月(ながつき)の 露(つゆ)に濡れつつ 君待つ我れを」と言われます。
意味は、「そこに居るのは誰なの?と、私に聞かないでください。九月の 露に濡れながらあなたを待っている私のことを。」
当時、男性が女性の名前を問うのは、プロポーズの意味を持っていました。それに答えて、名前を明かすのは、お受けしますということになります。この女性は、夕闇の中、言い交わした別の男性を待っていたと思われます。それで、「名前を聞かないで」となるのでしょう。
電気のない時代には、「たそがれどき」には、お互いの顔がよく見えません。
よって、お互いに「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(だれですかあなたは)」と尋ねていたそうです。それで「たそがれ」。
現代風に言えば「君の名は?」となるわけです。
さて、2016年に公開されたアニメーション映画「君の名は。」(新海誠原作、監督)で、主人公の瀧と三葉が出会うのは、まさに「黄昏時」でした。そこで、お互いの名前を問いかけます。
身と心が入れ替わることにより、お互いが導かれていくストーリーですが、この映画の中で、雪野先生が古典の授業で、「たそがれどき」について話すときがあるのです。そこにでてきたのが、先ほどの万葉集の柿本人麻呂の歌でした。
このように背景に日本の歴史と文化、風習、そしてその元となる古典などが緻密に散りばめられていることに感動します。
現在使っている言葉の語源や風習の歴史の知識を得ることにより、過去、現在、未来は繋がっていることを実感するとともに、深読みすることを楽しめた回でしたね。
2025年6月 編集部 北川詩雪
理事会が開催されました
2025年6月17日
6月15日 18時より理事に加え監事2名の全員出席のもと理事会が開催されました。
先ず8月に行われる水明書展について各係から進捗状況が報告されました。
昨年好評だった来場者が楽しみ発信出来るような仕掛けは今年も継続し、加えて新しい企画も提案されました。
各係は昨年度の反省点などをもとに綿密に計画を立て、書展成功に向けて、準備を始めています。
水明展の参加賞ついては、各業者から集まった賞品が提示され、理事の多数決にて決定し、上位賞賞品については褒賞係と三役にて選定いたました。
すでに支部の先生や会員の方に送付されている水明展資料の中には、申し込み忘れがないように表彰式・懇親会の案内をオレンジ色の分かりやすい用紙にしてあったり、出品表も昨年出品された方の名前はすでに印字されていたりと工夫しています。
一般部・青少年部同時開催で京セラ美術館に展示されるこの機会に一人でも多くの方に出品していただきたいと思っています。親・子・孫三代で出品されている方もおられ、素敵だなぁと感じます。
その後、半期の会計報告、昇段昇格試験、師範試験、春のセミナーについて報告が行われました。
郵便料金の高騰により、会議や審査の案内などをメールでするなど経費節減の努力をして健全な運営をしていきたいと報告されました。
また、今後は支部ページや会員ページをつくるなどHPをより充実させて、皆さんに有益な情報をいち早くお伝えできるように努力していくことが報告されました。
さぁ、夏のイベント水明展に向けて、がんばりましょう!
広報担当:山根青坡
師範試験が実施されました!
2025年6月9日
6月8日(日)
午前は硬筆部が、午後からは毛筆部(漢字・かな)の師範・準師範検定試験が実施されました。
今回の合格者は硬筆3名、漢字8名、かな10名でした。
受験対策セミナーの受講者が多く、セミナーの受講が皆さんの学習に役立ったのではと思います。
皆さん緊張しながらも、真剣に取り組んでおられました。
次回、師範試験は11月に実施いたします。
それに先立ち9月14日に師範試験対策講座を行い10月には秋のセミナーもあります。
受験資格をお持ちの方がたくさんおられます。
スキルアップのため、今から準備して、ぜひ挑戦なさってください。
試験担当 長田紫豊
うたごよみによせて その5「亀」
2025年5月15日
青もみじの美しい季節となりました。
インスタ映えで話題の京都八瀬の瑠璃光院の青もみじ。今は浄土真宗のお寺ですが、もともとは実業家の別荘として造営され、1万2000坪に数寄屋造りの建物と日本庭園があります。書院からの眺めの美しさを見ると人気も納得します。
さて、今月のテーマは、「亀」。
「鶴は千年、亀は万年」といわれるように、長寿で縁起の良い生き物とされています。これは、中国から伝わったもので、漢の時代(紀元前130年ごろ)の書物に書かれたことからとされています。
また、神話にたびたび登場します。中国には不老不死の仙人が住む蓬莱山という山があり、その仙人の使いが亀であったことから、長寿、不老不死のイメージが定着したと言われています。
中国神話に登場する巨大な亀、霊亀(れいき)は、甲羅に蓬莱山を乗せた姿で絵などに描かれます。
万葉集には、亀を詠んだ歌は長歌の二首しかありません。そのひとつは、恋の病に苦しむ人を占うために亀の甲羅を焼くというものです。
古今和歌集でも多くはありません。こちらは長寿を祝う歌となっています。
「亀の尾の山の岩根をとめて落つる 滝の白玉千世の数かも」
(大意:亀尾山の岩間を伝わって流れ落ちる滝の白玉は何と美しいのでしょう。その無数の白玉がすなわちあなた様の長いお年の数なのです。)
在原滋春作で、詞書きに「藤原三善が六十賀によみける」とある通り、長寿を祝う歌で、「鶴亀も千年の後は知らなくに 飽かぬ心にまかせ果ててむ」
(大意:鶴や亀のように千年長生きしてしても、誰も知らないのだから、生きることに飽きない心に任せて、生きたいだけ生きて果てましょう)
などがあります。
俳句の世界では、「亀鳴く」が春の季語として親しまれて、「亀鳴く」の俳句を検索すると、たくさん出てきます。
鎌倉時代の歌人藤原定家の三男の為家が和歌ではじめて用いたと言われています。
その歌は「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなり」です。
亀は実際には鳴きませんが、春ののどかな昼や朧の夜に亀の鳴く声が聞こえるような気がするとされ、この遊び心や想像力が俳諧の世界で好まれ、動物を対象にした春の季語のひとつとして定着したと言われています。
句例として、あげてみます。
亀鳴くや皆愚なる村のもの (高浜虚子「五百句」)
亀鳴くと嘘をつきなる俳人よ (村上鬼城「鬼城句集」)
亀鳴くや月暈(げつうん)を着て沼の上 (村上鬼城「鬼城句集」)
「松竹梅」「鶴亀」と、縁起物が続いています冷泉貴実子氏の「うたごよみ」。
来月は何だろうと今から楽しみです。
2025年5月 編集部 北川詩雪