• スイスから「こんにちは」

    2018年7月4日

    スイスのアレックス・アンゲルン(Alex Angehrn  雅号:岐路峰秀)さんを

    紹介します。

    アレックスさんは、スイスの東部の中心都市・ザンクトガレンの

    郊外にお住まいで、母屋の横にアトリエを建てられ、

    そこで書道教室を開いておられます。

     

    ザンクトガレンは、チューリヒから電車で東へ1時間。

    オーストリアやドイツとの国境の湖・ボーデン湖のすぐ南に位置し、

    世界遺産の「修道院図書館」がある街としても有名です。

     

     

     

     

    アレックスさんは、「月刊 水明」を4年ほど前から購入されており、

    毎月、競書に出品されて頑張っておられます。

    そして、水明書展にも出品されていますよ!!

     

    2年前からは、生徒さんにも「月刊 水明」を

    奨めていただいて、現在3冊を購入されています。

    もちろん生徒さんも、競書に出品されています。

     

    「月刊 水明」との出会いは、5年前とのこと。

    日本に初めて来られた時に、京都の美術館か

    書道具店に置いてあった「月刊 水明」を

    スイスへ持ち帰り、スイス在住の日本人の書道の先生に相談後、

    水明への競書出品が始まったそうです。

    どこでご縁が始まるか分かりませんね。

    やはり、多方面に常に宣伝することは大事と思いました。

    アレックスさんや生徒さんは、日本文化に、そして禅(座禅)に興味があるということから、書道の練習を始められた方が多いようです。

    書道教室を開かれて6年ほど。

    教室のメンバーには、スイス在住の日本人の方も何人かおられるようです。

     

    スイスで、日本の書道に興味を持っていただき、それを追求していただけること、

    本当に嬉しく思います。

    改めて、世界に誇れる日本の書道文化を、その中心・京都で学べる有り難さを感じます。

    それとともに、もっと磨きをかけなくては、とも強く思います。

    今後も、書道文化を「月刊 水明」を通して世界各地へ発信し、拡充・継承したいものです。

    (事務局 北川詩雪)

    ザ・幹事会

    2018年7月2日

     

     

     

     

    水明書道会 事務局の北川です。

    昨日(7月1日)午後6時から

    平成30年度「第2回幹事会」を

    水明書道会館2階にて開催いたしました。

    この会議は、水明書道会の理事と幹事の先生方にお集りいただいて、

    会の運営について話し合う場です。

     

    昨夜は、今年度(H29年12月〜H30年11月)の、

    ちょうど半分の時期となりますので、

    下記の報告と、それについての質疑応答となりました。

    ・半期分の事業報告と財務報告 

    ・水明誌の現状と展望

     

    特に、「月刊 水明」代金の値上げ回避対策の一つとして、

    今年の4月から、内容が変更・削減されましたので、

    それについても、三浦彰峰理事長から説明がありました。

    お集りの先生方に、ご理解とご協力をお願いした次第です。

     

    「月刊 水明」については、記事の減少に対する厳しいご意見や、

    また、永遠のテーマであり、本の根幹となります「よりよい手本」についての

    貴重な意見も賜りました。

    硬筆手本について、詳しい情報をご提供いただきました先生に

    心より感謝申し上げます。

     

    頂いた建設的なご提案、ご意見をもとに、

    チームで対処するなど、検討していきたいと

    お返事させていただき、散会となりました。

     

    日曜日の夜間、そして、猛暑の中、お集りいただいた先生方に

    厚く御礼申し上げます。

     

     

    「月刊 水明 2018年4月号」からについては、

    読者の方々からも、下記のようなご意見を頂戴しています。

    ・他の本を読まないので、「書道史」を楽しみに拝読していた。

    ・「こどもよみもの」を、読み聞かせや、写し書きに利用していた。

    ・「巻頭言」の始まった50年前の頃を思い出すと、涙が出てくる。

    ・外国で書道の勉強と教室を開いている。「こどもよみもの」を自国の言葉に翻訳して、書道教室の生徒に配付していたので、残念。

    ・「私の好きな書」で、会員の人となりが窺(うかが)え、毎回楽しみにしていた。

     

    編集関係者一同、記事の減少については、

    本当に心苦しいのですが、このブログを活用して、

    紙ベースの印刷物以上に、楽しい話題、面白い話題、ためになる話題を

    提供していけたらと思っております。

     

    さてさて、

    先ほど、ヤフーニュースに「異彩放つNHKの雑学番組『チコちゃん』にハマる理由」

    という記事が掲載されてました。

    「チコちゃんに叱られる!」という番組をご覧になりましたか?

    実は、私も1度見て、ハマってしまいました。

    雑学大好き人間には、たまらない番組で、その構成も抜群なんですね。

     

    ヤフーの記事には、オープニングとエンディングの曲が、50代以上の世代に

    懐かしく、刺激するとかあります。

    確かに私、50代以上ですが、それででしょうか??

    いやいや、疑問が素朴するぎるのがいいのだと思います。

    また、当たり前のことが、実は当たり前ではなく、

    歴史があるということを知るのが面白いような。

    そして、年長者じゃなくて、5歳の子どもに教えてもらう(叱られる)

    のも良いのかな?

     

    どんな疑問かというと、

    「こんにゃくに入ってる黒い粒は何?」※1

    「刑事のことを『デカ』というのはなぜ?」※2

    「なぜサッカーは手を使ってはいけないのか?」※3 といったものです。

    そして、大人が正解しないと、

    「ボーッと生きてんじゃねーよ!」と叱られます。

    この子供に怒られると言うパターンも実に面白い。

    あまり上品ではないけど。。。

     

    ヤフーの記事には、「どうでもいいような疑問に対し、きちんとした専門家に話を聞いたり、現場に行ったり、有名俳優を使って再現VTRにしてみたりと、手間とコストがかかる作り。」とあります。

    確かにその通りで、以前にもありそうなものですが、

    「チコちゃん」という、マスコットを使ったところが、今どきなのかもとも。

     

    上記の番組のように、水明誌の内容(記事も手本も、そして全体構成も)を、ひとひねり、ふたひねりもして、手間ひまかけて、充実させ、素晴らしいものにしていくことが大事と思っております。

    また、皆様の貴重なご意見を頂戴しながら、担当者のみではなく、広範囲の関係者の熱意も必要です。何卒、ご協力をよろしくお願いいたします。

    そして、末永く、水明書道会、「月刊 水明」をご贔屓に。

    (事務局 北川詩雪)

     

     

    ☆疑問例の簡単な答えは、下記です。詳細は調べてみてください。

     ※1「こんにゃくに入ってる黒い粒は、海藻(わかめなど)」

     ※2「私服刑事が、明治期に洋服ではなく、和服の「角袖(カクソデ)」を

        着ていたので、「カクソデ」→「クソデカ」→「デカ」と呼ばれた」

     ※3「サッカーで、手を使っていいことにすると殴るから」

    ☆番組は、NHK金曜夜7:57〜。再放送 土曜朝8:15〜)

    「煒水の漢詩歳時記」 7月

    2018年6月30日

     7月7日は七夕の日です。

     この夜は天上の織女星(こと座のベガ)と牽牛星(わし座のアルタイル)が一年ぶりに再会する日です。

     この七夕の物語は中国の神話伝説の中でも、よく知られたたいへんロマンチックな伝承の一つです。

     この伝説の起源については、春秋時代に成立した「詩経」小雅(しょうが)にみられますが、そこには男女の愛の記述を見出すことはありません。一番初めに牽牛(けんぎゅう・ひこぼし)と織女(しょくじょ・おりひめ)の愛の物語がはっきりと記されたのは、後漢のころに作られた「文選(もんぜん)」に収録された「古詩十九首」の中の一編です。

     今月は「古詩十九首 其の十」を紹介します。

     なお、七夕は、現在では夏の行事のように見えますが、旧暦では立秋の後の初秋の行事です。

     

     古詩十九首 其十       無名氏

    迢迢牽牛星  

    皎皎河漢女  

    纖纖擢素手  

    札札弄機杼  

    終日不成章  

    泣涕零如雨  

    河漢清且淺  

    相去複幾許  

    盈盈一水間  

    脈脈不得語  

     

    迢迢(ちょうちょう)たる牽牛星

    皎皎(こうこう)たる河漢の女

    纖纖(せんせん)として素手を擢(あ)げ

    札札(さつさつ)として機杼(きちょ)を弄す

    終日 章を成さず

    泣涕 零(お)ちて雨の如し

    河漢 清く且つ淺し

    相去ること複た幾許(いくばく)ぞ

    盈盈(えいえい)たる一水の間

    脈脈(にゃくにゃく)として語るを得ず

     

    (意味)

     遠く離れた彦星

     光り輝く織姫星

     織姫は白く細い腕を動かし

     素早くさっさっと機を織る

     一日かけても綾模様は織りあがらず

     降る雨のように涙が流れる

     銀河は清らかで浅い

     二人の間はどれほど離れているのだろう

     流れてやまない一すじの河を隔てて

     二人は黙っているだけ

     

      【語彙】

      無名氏:詠み人知らず

      迢迢:はるかかなた、  河漢:天の川、     繊繊:かぼそいさま

      札札:機を織る音    機杼:横糸を織る道具  章:綾模様 

      陽関:敦煌の西南にある関所

     

     

     七夕の夜、地上では女の子たちが天に向かって五色の色糸を針に通し、庭に机を並べて酒や野菜、果物などを供えて、針仕事の上達を祈ります。これを「乞巧奠(きこうでん)」といいます。

     現在でも笹の葉にお願い事を書いた五色の短冊をくくりつける習慣があります。

     私の住むマンションは子どもが多いので、毎年、玄関に立てられた大きな笹の枝に、願い事が書かれた色とりどりのいろ紙が供えられます。びっくりするのは、その中に金や銀のいろ紙があることです。「乞巧奠」で使う糸の色は青、赤、白、黒、黄の五色です。

     

    京都北野天満宮の七夕祭りの短冊

     

    (佐藤煒水)

    正しい字体・字形って

    2018年6月8日

    近畿地方もいよいよ梅雨入りして、これからしばらくはうっとおしい空が続きますね。

    子どもを教えておられる先生方は、すでに「水明書展青少年部」に向けて、大きな紙のお稽古をされていることと思います。

     

    正しい字体・字形について

    水明展に限らず、子どものためにお手本を書くとき、気になるのが「正しい」字体や字形です。例えば、「年」の4画目は3画目とくっけてまっすぐ書くのが正しくて離れたり、斜めになっているのは間違いか。また最終画は止めるのか、はらうのか。

    新米書道塾講師の私は、いちいち教育用の書写事典や漢字辞典で調べますが、辞書ですらまちまちで、ましてや楷書の古典などとは全く違う字形もあります。学習塾などで漢字を先に習っている子どもから、「先生、ここははらうのでいいの?」などと尋ねられて、大慌てで調べ直すなど毎回冷や汗です。

     

    教科書体というフォント

    さて、現在、学校での漢字指導や書写教育では、もとになっているのは「教科書体」という書体です。学習指導要領、その中でも漢字の学年別配当表で提示されている字体が教科書体です。

     

    教科書体の歴史は古く、「昭和10年発行の文部省国定教科書『小學國語讀本 巻五』にはじめて使用された筆書体活字の書体のことで、その文字形象は「毛筆の余分なさばきを抑え、字体を分かりやすくしたかい(楷)書系の書体」と定義されて」います(『教科書体変遷史』より)。もともと、手書き文字に近い書体ということで教科書体が生まれたのです。しかし現在はこの教科書体という名前をつけた市販フォントはたくさんあって、教科書出版社や学参の出版社によって使っているフォントが違ったりします。つまり教科書ですら字形や字体が様々なのです。

     ある調査によれば、そもそも学校の先生ですら書体(フォント)による字形の違い、例えば「教科書体」と「明朝体」の違いを意識されていることは少ないようです。そして、もとは毛筆書体から生まれた「教科書体」ではありますが、今度はそのフォントである「教科書体」をもとにして書写(手書き文字)の教育を行っているということ自体も、あまり意識されていません。そして、この教科書体が正しい字形とされて、これまでの漢字教育では教科書体に合わないものはすべて誤りという極端な例もありました。しかし歴史を見たら、楷書系の書体というだけで、教科書体がすべて正しいとは言えないことはわかります。

     

    たとえば、「寺」という字、「土」に「寸」ですが、書体によっては「士」に「寸」、つまり3画目と4画目が同じか、3画目が短い書体もあります。これは市販の教科書体でもどちらもあります。

     

    ■いったい何が正しいの、何をもとに書けばいいの?

    ますます混乱してきましたね。

    そんな書写教育の現場での混乱や疑問に対する指針が平成28年に文化庁より出されました。『常用漢字表の字体・字形に関する指針:文化審議会国語分科会報告』です。

    この報告書はインターネットでもダウンロードできますし、水明会館には本の形になったものも置いてあります。

    *ダウンロードは下記より

    『常用漢字表の字体・字形に関する指針』

     

    さて「寺」ですが。

    指針によりますとどちらの「寺」も間違いではありません。吉田さんの「吉」と「𠮷」がどちらも存在するのと同じです。

     確かに教科書体は美しい書体です。しかし毛筆指導で活字のフォントを基にすることには、危険もあります。ましてや、教科書体だけが正しく、違うものをすべて間違いとすることは避けなければなりません。先の文化庁の『指針』にも「漢字の正誤の判断においては、推奨される一定の字形だけを正しいものとするのではなく、その漢字の骨組みがあるかないかに着目した柔軟な評価が望まれます」とありますし、実際、絶対これだけが正しいと言えるものではありません。特に学校教育と違う、われわれ私塾での指導では、私自身はその点は寛容でおおらかであってもいいのではないかと思います。

     

    水明書道会の取り組み

    水明誌の子どもの部の手本や支部支援対策の一環として、この春、水明書道会では子ども達の使っている書写の教科書を全種類購入して検討しています。水明会館には、先の『指針』だけでなく、書写の全教科書がそろっていますので、現行の教科書にご興味のある方、参考にしたい方は、一度、水明書道会館で閲覧して下さい。

    堀 翠恵

    「煒水の漢詩歳時記」 6月

    2018年6月2日

     今年は梅雨入りが早いようで、気象庁の発表によれば九州・四国地方ではもう梅雨入りしたようです。

     梅雨は、北海道と小笠原諸島を除く日本、朝鮮半島南部、中国の南部から長江流域にかけての沿海部、および台湾など、東アジアの広範囲においてみられる特有の気象現象で、5月から7月にかけて毎年めぐって来る曇りや雨の多い期間のことで、雨季の一種です。

     しかし、漢詩の舞台になる長安や洛陽など中国の内陸部では梅雨はありませんから、梅雨を詠った漢詩は少ないです。それでも、長雨はあります。三日以上降り続く雨を「霖(りん)」と書きます。梅雨に対して秋の長雨を「秋霖」といいます。

     

    雨は漢詩でも重要な「詩題」で、雨を詠った詩は多いのですが、私がまず思い出す詩は王維(おうい:701〜761)の「元二の安西に使いするを送る」という詩です。

     

    送元二使安西  

     渭城朝雨浥軽塵 

     客舎青青柳色新 

     勧君更盡一杯酒 

     西出陽関無故人

     

      元二(げんじ)の安西(あんせい)に使いするを送る

      渭城(いじょう)の朝雨 軽塵(けいじん)を浥(うるお)し 

      客舎(かくしゃ)青青 柳色(りゅうしょく)新たなり 

      君に勧(すす)む 更に尽くせ 一杯の酒 

      西のかた陽関(ようかん)を出づれば 故人無からん

     

      (意味)

       別れの朝、渭城の町では、昨夜からの雨が、砂ぼこりをうるおしており、

       旅館の前の柳も青々と芽吹き、門出にふさわしい眺めだ

       これから、西に旅立つ「元二」君、さあ、もう一杯酒を飲みたまえ

       これから、西、陽関という関所を出たなら、一緒に酒を酌み交わす友もいないのだから

    【鑑賞のポイント】

    「元二」        元は姓、二は排行

    「安西」        唐代に安西都護府が置かれ、西域の守護の当たった要地、新疆(しんきょう)ウイグル自治区にある。

    「渭城」        長安の渭水(いすい)を挟んだ対岸の町、西に旅する人たちの送別の場所

    「陽関」        敦煌(とんこう)の西南にある関所

     

     この詩は、別名を「渭城の曲」ともいい、旅立つ人を送る送別の詩として広く親しまれ、唐代以降、送別の席では必ず詠われたといわれています。もちろん、日本でも同様、送別の時に歌いました。

    私の学生時代も卒業生を送る宴席では、この詩を朗読したものです。

     また、結句の「西のかた陽関を出づれば 故人無からん」は送別の意を表すために、三度歌い繰り返します。これを「陽関三畳(ようかんさんじょう)」といいます。

    (佐藤煒水)

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