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うたごよみによせて その4「亀」
2025年5月15日
青もみじの美しい季節となりました。
インスタ映えで話題の京都八瀬の瑠璃光院の青もみじ。今は浄土真宗のお寺ですが、もともとは実業家の別荘として造営され、1万2000坪に数寄屋造りの建物と日本庭園があります。書院からの眺めの美しさを見ると人気も納得します。
さて、今月のテーマは、「亀」。
「鶴は千年、亀は万年」といわれるように、長寿で縁起の良い生き物とされています。これは、中国から伝わったもので、漢の時代(紀元前130年ごろ)の書物に書かれたことからとされています。
また、神話にたびたび登場します。中国には不老不死の仙人が住む蓬莱山という山があり、その仙人の使いが亀であったことから、長寿、不老不死のイメージが定着したと言われています。
中国神話に登場する巨大な亀、霊亀(れいき)は、甲羅に蓬莱山を乗せた姿で絵などに描かれます。
万葉集には、亀を詠んだ歌は長歌の二首しかありません。そのひとつは、恋の病に苦しむ人を占うために亀の甲羅を焼くというものです。
古今和歌集でも多くはありません。こちらは長寿を祝う歌となっています。
「亀の尾の山の岩根をとめて落つる 滝の白玉千世の数かも」
(大意:亀尾山の岩間を伝わって流れ落ちる滝の白玉は何と美しいのでしょう。その無数の白玉がすなわちあなた様の長いお年の数なのです。)
在原滋春作で、詞書きに「藤原三善が六十賀によみける」とある通り、長寿を祝う歌で、「鶴亀も千年の後は知らなくに 飽かぬ心にまかせ果ててむ」
(大意:鶴や亀のように千年長生きしてしても、誰も知らないのだから、生きることに飽きない心に任せて、生きたいだけ生きて果てましょう)
などがあります。
俳句の世界では、「亀鳴く」が春の季語として親しまれて、「亀鳴く」の俳句を検索すると、たくさん出てきます。
鎌倉時代の歌人藤原定家の三男の為家が和歌ではじめて用いたと言われています。
その歌は「川越のをちの田中の夕闇に何ぞと聞けば亀のなくなり」です。
亀は実際には鳴きませんが、春ののどかな昼や朧の夜に亀の鳴く声が聞こえるような気がするとされ、この遊び心や想像力が俳諧の世界で好まれ、動物を対象にした春の季語のひとつとして定着したと言われています。
句例として、あげてみます。
亀鳴くや皆愚なる村のもの (高浜虚子「五百句」)
亀鳴くと嘘をつきなる俳人よ (村上鬼城「鬼城句集」)
亀鳴くや月暈(げつうん)を着て沼の上 (村上鬼城「鬼城句集」)
「松竹梅」「鶴亀」と、縁起物が続いています冷泉貴実子氏の「うたごよみ」。
来月は何だろうと今から楽しみです。
2025年5月 編集部 北川詩雪
春の水明セミナー 篆刻・現代書
2025年5月13日
5月11日(日)
この日は地元「新日吉(いまひえ)神宮」の春の例祭で剣鉾や神輿が巡行し水明会館の前はにぎやかでした。
春の水明セミナー篆刻と現代書講座が開催されました。
篆刻は佐藤煒水先生、現代書は山根青坡先生
篆刻は自由課題、
雅号の落款印や、成語を引首印に作成。
皆さん、真剣にほられながらも楽しんで落款を作成されていました。
現代書は午前は北魏の楷書「魏霊蔵薛法紹造像記」の臨書。
半紙で筆遣いの特徴を習い、半切へと展開。
皆さん、力強い線をしっかり書かれていました。
午後からは現代書課題の創作。色々な筆を使って楽しんで書いておられました。
セミナーは直接講師からポイントを教えてもらえる絶好の機会です。
《基礎から学ぶ・もっと深く学ぶ・楽しく学ぶ》
どの講師も工夫を凝らした内容で学びの提供をして下さいます。
会場に来られない方の為に通信で指導を受けることも出来ます。
次回は秋にセミナーがありますので、ぜひご参加下さい。
セミナー担当 林 桂峰
「スマホとパソコン教室」
2025年5月9日
5月7日、水明会館で外部講師によるパソコン・スマホのスキルアップセミナーが開催されました。2か月に1回開催いたしております。
セミナー参加者で希望する方に、30分1000円(非会員は1500円)の個人指導で、知りたいこと困っていることに講師が丁寧に答え教えて下さいます。
今回は個人指導をご希望される方2名参加いただきました。
指導受けられた方に、ご感想をお聞きしました。お二人ともスマホでの操作についてご質問されていました。「教室案内のやり方」「水明ホームページからのご自分への教室案内のリンクさせるやり方」その他、どんな初歩的な事でも、やさしく、丁寧に指導いただき、参加前は不安でしたが、とても良かったとの事でした。これからも是非参加されたいと言っておられました。
個人指導の様子
そして、本日参加者全員教えていただいたのは「Gemini(ジェミニ)」の使い方です。
前回は「Chat GPT(チャット ジーピーティー)」の使い方でした。どちらもAIが質問に答えてくれるのですが、Geminiは文章、画像、動画、音声等の情報を合わせて処理すること(マルチモーダル)に優れており、それに対してChat GPTは、文章でのやり取り、作成に優れています。早速皆さん比較されました。下記写真の通りでした。
個人相談無しの参加でもお互い情報を交換したりして有意義な時間を共有できます。
この機会に是非ご参加下さい。そして教室運営や生徒拡大に活かしていただきたいと思っています。
次回は7月2日です。
広報担当 上田真翠
春のセミナー
2025年5月1日
4月29日(火・祝)
春の水明セミナーが開催されました。
漢字は堀翠恵先生 午前は臨書(雁塔聖教序)午後は条幅講座
かなは北川詩雪先生
午前は臨書(関戸本古今集) 午後は条幅講座
セミナー担当として受付などをしていましたが、参加された皆さま、とても熱心でいい意味で緊張感もあり、真剣さが伝わってきました。
また、講師の先生はとても丁寧にご指導くださっていました。
次回 セミナーは
5月11日(日)
現代書 山根青坡先生 (午前臨書 午後創作)
篆刻 佐藤煒水先生 (午前午後通しが原則)
です。
それぞれの講師の先生からポイントや筆遣いなど直接教えていただける絶好の機会です。
会場に来られない方の為に通信講座もあります。
どうぞお早めにお申し込み下さい。
セミナー担当 金子恵翠
水明書展の要項など発送準備しました
2025年4月10日
2025年 第75回一般部 第73回青少年部
水明書展(会期8月7日~10日)の公募、要項やポスター、案内ハガキなどができました。
展覧会事務局と応援メンバーで会員への発送作業をしました。
水明書展は京都市京セラ美術館で開催される水明にとっての大イベント!
事務局のみんなも一人でも多くの方に出品していただける事を願いながら、作業をこなし、
無事に終えることができました。
会員の皆さまには順次発送致します。少しお待ちください。
また、出品票など追加でご入用の場合は水明会館事務所にご連絡ください。
今年もたくさんのご出品を是非ともお願い致します。
広報部 上田 真翠