干支にまつわるエトせとら 丑編3

あけましておめでとうございます。

 

昨年はコロナ禍の中、従来の価値観を見直さなければならないような事象が多く生まれました。

ほんとうに、人生観の変わる一年でした。

今年は、平穏な年であってほしいものです。

 

今回の「牛」に関した故事や四字熟語は、中唐から晩唐にかけて官僚として唐王朝を支えたエリート官僚である白楽天(白居易:はくきょい)の詩から選びました。

 

●「蝸牛角上 」

 

①読み

かぎゅうかくじょう

 

②意味

「蝸牛角上の争い」とも言います。

蝸牛とは「カタツムリ」のことです。角上とは「ツノの上」のことです。

つまり「蝸牛角上(争い)」とは、「カタツムリ」のような小さな生き物の角の上の争いという意味です。

些細なことや、狭い世界でのつまらない争いのたとえとして用いられます。

同じような意味に「コップの中の嵐」や「蛮蝕(ばんしょく)の争い」などがあります

 

③出典

荘子の則陽の中にある物語。

中国の戦国時代の魏の君主、恵王(けいおう)は斉王の暗殺を企てていました。それを聞いた側近の恵施が戴晋人(さいしんじん)という人物を連れてきます。

戴晋人は、蝸牛の右の角には蛮(ばん)氏の国、左の角には触(しょく)氏の国があり、両者が争った話を恵王に聞かせます。両者は争いは永く続き、数万の犠牲者を出しました。そして、「広大な宇宙に比べれば魏はほんのささやかな存在である」としました。つまり、狭い土地を争って戦の被害を出すのはばかばかしいことであると説きました。

・・・ざっというとこのような寓話です。

 

最後に白楽天の詩を紹介しましょう。

 

對酒   白居易

 

蝸牛角上争何事

石火光中寄此身

随富随貧且歓楽

不開口笑是癡人

 

酒に対す   白居易

 

蝸牛角上 何事をか争ふ

石火光中 此の身を寄す

富に随ひ貧に随い 且(しば)らく歓楽せよ

口を開いて笑はざるは 是れ癡人(ちじん)

 

[口語訳]

かたつむりの角のような小さなせまい場所で、

(人々は)いったい何を争っているのか。

(人生は)火打ち石から飛び出す火花のような一瞬のうちに、

この身をかり住まいさせているのである。

(そう思えば)貧富それぞれ分相応に、ともかくよろこび楽しんで過ごすべきである。

(くよくよと思い悩んで)大口をあけて笑うこともしないのは、まったくおろかな人である。

佐藤煒水

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